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大相撲アクシデント──行司(木村庄三郎)が後頭部強打──無事復帰、よかった

行司、力士に吹っ飛ばされ後頭部強打!

 大関把瑠都と小結若荒雄の一番で、さばいていた行司が取組に巻き込まれた後、担架で運び出される異例の事態が起きた。三役格行司の木村庄三郎(61)=大島=が、把瑠都に送り倒された若荒雄の右腕に押し出されて土俵から転落。後頭部を強打し、しばらく動けなくなった。約5分後に運び出されるまで、土俵の進行がストップ。脳振とうを起こした庄三郎は幸い大事には至らなかったものの、検査のため都内の病院に搬送された。

 両国国技館が騒然となった。行司がピクリとも動かない。把瑠都‐若荒雄の一番の後、観客が立ち上がり心配そうに見守る中、近くの警備や観察の親方衆は木村庄三郎の帯を緩めた。約5分後に担架が到着し、運び出された。デイリースポーツ http://www.daily.co.jp/sumo/2012/01/12/0004737159.shtml


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若荒雄の腕で突き落とされる瞬間。このあと土俵下に転落する。なんてことないと思ったが…



観ていて、あははと笑ってしまった。よくあることなのだ。力士の激しい動きに巻き込まれ、小柄な行司がふっとんでしまうことは。スペクテイタースポーツの魅力のひとつとも言える。そもそも行司は──これは以前読んだ先代の木村庄之助の本で知ったのだが──そういう賑やかしのために、あんな仰々しいかっこうをしているのだ。力士の取り組みに巻き込まれた行司が土俵下に転げ落ちるのは大相撲の楽しみのひとつである。
場内にも同じ空気があった。笑っているひとも多かった。

心配になる局面もある。行司に限らず審判の親方でも砂かぶりの客でも、150キロ以上もある力士の下敷きになった場合だ。ただの下敷きではない。激しい動きでふっとんでくるのだ。それこそトンを超す衝撃になるだろう。下敷きになっての骨折はもちろん最悪圧死まである。それが案じられる状況の時はもちろん笑わない。だいじょうぶかと土俵下を気遣う。

今回のはそういうものではなかった。把瑠都が若荒雄をつきだし、その腕の先に行司はいた。若荒雄に腕一本で突き出され、土俵下に落ちて転んだ。それは大相撲ではよくあるパターンと、笑っても決して不謹慎ではない出来事だった。場内の雰囲気もそんなものだった。



ところが、そこからだ。倒れた行司がピクリとも動かない。初めて見るシーンだった。プロレスのレフェリー〝失神ジョー樋口〟の名演技とはちがう。私は笑った自分を恥じテレビ桟敷で正座した。とんでもないことが起きてしまった。

よくある事故のように、抱え上げて車椅子に載せようとする。しかしまったく反応がないので、それをやめ、担架の手配となる。力士や親方は太っているので脳梗塞的な病をよく患う。みなその場面には慣れている。このとき無理に動かなさないことはよかった。脳溢血、脳梗塞は動かしてはならない。

軍配は控え(次の一番を裁く)木村玉光があげた。

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倒れたまま反応のない木村尚三郎



木村尚三郎が若荒雄から受けた圧力は、手で突き出されただけだった。のしかかられたりはしていない。しかし土俵下に落ちたとき、転んで後頭部を痛打したようだ。ただの脳震盪ならいいが……。

担架が来るまで安静にしたので、なにもないまま5分間が過ぎるという長年大相撲を見ているが初めて見る事態となった。場内にも次第にざわざわとした空気が広がってゆく。把瑠都は庄三郎のちかくで不安そうな顔でたたずんでいる。引き上げた若荒雄(落ちたのが反対側なので引き上げていた)がテレビ映像を見ながら控え室内を心配げに歩きまわる映像も流れた。
やがて担架で運び出されていった。それが心配であとの取り組みを楽しめない。



私はすぐに、このブログに書こうとPCに向かったが、最悪の事態を予測して控えた。アナが「息はしているそうです」とだけ伝えた。まだ生きてはいるらしい。しかしそれは十分に予測されることだった。

大相撲中継は終わったがその後の情報はない。
2ちゃんねるの「相撲板」に行ってみた。なにしろマニアの巣窟だから「行司スレ」まである。行司のあれこれを熱く語っているのだ。私も人後に落ちない相撲好きのつもりだが、さすがに行司オタクではない。しみじみいろんなひとがいるものだと思う。その「行司スレ」が、前代未聞の事故で異様な賑わいを見せていた。

「息はある。あくびをしている」という情報が流れた。それに対して「あくびしているぐらいだからだいじょぶじゃねえの」という書き込みがある。バカ。脳を打った時の生欠伸は危険信号だ。だいじょうぶなのか。私はこの「あくび」の情報を知ってブログに書くことを断念した。



今朝、真っ先にその情報を追った。さいわい大事には至らなかったようだ。よかった。以下はスポーツ報知のニュース。スポーツ紙の中でいちばん詳細に伝えていた。

《意識は戻らない。呼び出し、警備の親方らが装束を脱がすなど応急処置を施すも、いびきをかいており一時は緊張感が走った》

脳溢血イコール「いびき」である。脳内出血で倒れたひとは大いびきをかく。怖い状況だった。

《診療所で庄三郎は血圧と心電図を測定。「命に別条はないと思いますが脳しんとうの症状が出ているのは明らか」と宮坂所長。救急車で都内の病院に搬送されCT検査を受け異常なしと診断された。午後9時過ぎに自宅に戻った》

とのこと。これで一安心である。

《行司が土俵でけがをした例は過去にもある。ただ、今回のように土俵下で意識不明になった事故は珍しい。行司生活47年の立行司・木村庄之助も「記憶にありません」と明かす》
http://hochi.yomiuri.co.jp/sports/sumo/news/20120111-OHT1T00274.htm

やはりそうとう珍しい事故だったらしい。ともあれ無事でよかった。
大相撲の土俵下の席、砂かぶり──正式名称は溜(たまり)席──で観る客は保険に入らねばならない。ふっとんできた力士の下敷きになって圧死する可能性だってあるからだ。あらためてそういう危険を感じた一件だった。

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【附記】──砂かぶり

この席を素人が入手するのは不可能に近い。私は相撲好きの父に一度でいいから見せてやりたいと思いつつコネがないために実現出来なかった。相撲不人気で券があまっている今なら案外簡単に入手できるかも知れない。でも肝腎の父がもういない。

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【附記.2】──木村尚三郎、無事復帰──2012/1/13


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豪栄道(中央)と琴奨菊の一番を裁く裁く木村庄三郎(撮影・中島郁夫)
<大相撲初場所>◇5日目◇12日◇東京・両国国技館


 4日目に若荒雄と接触して土俵下に転落し、頭を打って病院に搬送された三役格行司、木村庄三郎が5日目も休まず土俵を務めた。琴欧洲-隠岐の海、豪栄道-琴奨菊の2番を無事に裁き「ご心配をお掛けした。体は大丈夫」と話した。

 前日の精密検査で異常はなかったが、周囲は休養を勧めた。この日の朝の体調も良く、自ら出場を訴えたという。土俵下に転落した前後の記憶はないそうだが「どちらに逃げるか迷うと、ああいうことになる」と反省していた。 [2012年1月12日21時21分]──日刊スポーツ


脳震盪だけで何も問題はないようだ。ほんとうによかった。これで最悪の事態になっていたら、それでなくても不祥事続きの相撲界なのにたいへんなことになっていた。よかった。
(上記、写真解説で「裁く裁く」と2回あるのは日刊スポーツのミス。そのままにした。)

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