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黄昏のビギン──ちあきなおみ──ビギンのリズム

momoさん推薦の「黄昏のビギン──ちあきなおみ」を{Youtube}で聴いてみた。


水原弘がオリジナルとか。作詞永六輔、作曲中村八大。「黒い花びら」コンビだ。1959年の曲。

中村さん作曲だから聴く前からいい曲であることはわかる。「上を向いて歩こう」が日本の曲として唯一全米でナンバーワンになったのは曲の魅力がいちばんおおきい。ジャズ・ピアニストの中村さんの作る曲はJazzyだ。


その水原の曲をちあきがカヴァーした。1991年の引退直前に吹きこまれ、京成スカイライナーのCMで話題になったとか。いわゆるシングルヒットした曲ではない。



私は京成スカイライナーのそのCMに記憶がない。チェンマイに足しげく通っていたころだ。日本のテレビCMなど興味がない時季だった。ただ成田への足は、今ではまったく利用することのなくなったスカイライナーが中心だった。

当時の日記には、日暮里に着くのが遅れ、次のスカイライナーでは間に合わなくなり、タクシーで成田まで走ったと何度か出て来る。正規料金で2万5千円だとか、白タクが2万でいいと言ったので、それで行ったとか。思えばくだらない失敗を繰りかえしていた。



ちあきはギターのアルペジオをバックにしっとりと唄っている。ビギンが出て来ない。1番が終り、間奏になってやっとビギンのリズムになったのでほっとする。まあそういう引っぱりなのだろう。


歌唱力に自信のある夏川りみがカヴァーしているのも納得する。



1959年(昭和34年)に作られたこの曲は、ニューヨークのミュージカル「Begin the Beguine」から始まった流れ、世界中にビギンのリズムが流行った時代背景を考えないとわかったことにはならない。とは言いすぎか。ビギンのリズムすら知らないひとも多いだろうし、音楽なんて智識で聴くもんじゃないしね。


ただまちがいなく言えるのは、作詩した永にも作曲した中村さんにも、ビギンのリズムとの甘い想い出があるはずで、そこから生まれた曲ということである。



ビギンのリズムが、ミュージカルの「Begin the Beguine」のJazzyでアップテンポな形から離れて、イージーリスニングの軽快なリズムとして日本の街中に流れたのはいつごろなのだろう。ミュージカルのヒットは戦前。この曲が1959年だから、敗戦後の昭和20年代後半には流行っていたのだろうか。
私の知っているのは昭和40年代にイージーリスニング音楽のリズムとして使われていたビギンからになる。


ひさしぶりにそういうビギンを聴きたくなった。
もっていない。そりゃあもっていない。私はイージーリスニングは嫌いだし、なによりレーモン・ルェーブル、ポール・モーリアのさらに一世代前だ。「オリーウ゛の首飾り」や「シバの女王」をもっていないのに、その前世代の懐メロがあるはずもない。



私がビギンのリズムで真っ先に想いだすのは、ヤコペッティの映画「世界残酷物語」の主題歌「モア」になる。
残酷な映像とうつくしいメロディの主題歌が話題になった。


原曲はビギンではないが、これをビギンのリズムで演奏した曲が喫茶店等でよく流れていた。
リズムとしてのビギンは、甘く軽やかだったけど、いわゆる「タイト」ではないから、時代の流れの中で、スクエアな8ビートに駆逐されてしまった流れはわかりやすい。甘く軽やか、すなわち「ガッツがない」に通じる。



さて、ビギンのリズムの懐メロを、どうやって捜せばいいのか。さすがになんでもある{Youtube}にもない。


駅前のワゴンに山盛になっている出所不明の安物CDあたりにありそうだ。あるいは図書館の「世界の名曲」なんてCDか。
入手したならしたで一度聴けばすぐに厭きてしまうだろうけど、みょうにビギンリズムのイージーリスニングが聴きたい夜。


 


 


 


 


 

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