記事一覧

テレビのない生活──「十三人の刺客」「エクスペンダブルズ」

7月24日以降、私のテレビはDVD再生、HDDレコーダに収められたファイル再生、ゲーム用になっている。
テレビへの興味は消えていたので気持ちよく縁を切ったが、それでもたまに「映像」は見たくなるので、ここのところ二日から三日に一本の割合でDVDの映画を見ている。未見のものだけで500本以上あるから見終るのはいつになるやら。

見終った後は見てよかったと思うのだが、相変わらず見始めると眠くなってくる。この条件反射はなんとかせねばならない。デスクトップ機で見ると眠くならないのだが椅子が苦手だ。私が映画館に行かなくなったのは椅子にすわって映画を見るのが苦手だったからだ。さいわいいま持病の腰痛は治まっているが……。

レンタルビデオが普及してからは自宅で寝転んで見られるようになった。ありがたかった。80年代半ばからは遅れを取りもどそうと狂ったようにレンタルヴィデオを見た。90年に入ると年の半分を海外放浪に当てたからだいぶ減ったが、それでもまだけっこう見ていた。21世紀になってパタっと停まる。それらがいまDVDになって溜まっている。



13
先日は「十三人の刺客」を見た。最初の時は途中で寝てしまったのが、今度はしっかり見た。セットに凝っている良質の時代劇だと思ったが、ただ敵役を増量したのはどうか。増やせばいいというものでもない。

オリジナルでは「13人対53騎」だった。これだけでもう人と馬に騎乗している相手だからたいへんなハンデであり、無理な数だ。なにしろ刀という武器が保たない。「七人の侍」のように、この映画でもしっかり「替えの刀」を用意してはいたが、敵の数を300人に増やしたのはいくらなんでもやりすぎだ。銃ならともかく、刀では無理だ。火薬や罠を利用して100人程度に減らしてからの活劇だったが、それでもあまりに無謀。シリアスに作るならむしろ減らして欲しかった。ひとりが倒せるのは三人が限度だろう。

そういうことからも「南京事件」における「軍刀での百人斬り」なんてのがとんでもない大嘘であることがわかる。服を着ている人間を斬ったり刺したりしたら、軍刀は三人程度でボロボロになるだろう。30万人の殺戮なんてのは原水爆でなければ不可能だ。それを捏造して政治利用するのだから呆れる。



役者では市村正親がうまかった。舞台で磨かれているひとはいざというときの輝きがちがうとあらためて感嘆。
つまらないキャストだった映画「花のあと」で感じたのと同じ感想。うまい役者が映画を引き締める。

この作品で話題になったのはスマップ稲垣吾郎の悪役だった。なかなかよく、これは彼自身を大きくするのに役だったろう。個人的に残念だったのは私はそのことを芸能ニュースで知ってしまっていたことだ。知らずに見てすなおに稲垣を褒められるともっとよかったのだが。

次々に散ってゆく十三人には、それぞれ最後の散り際が用意されている。実際の殺人に慣れていない若者たちの、ヤケクソ気味の、だからこそ真実味を演出した散り際の中で、松方弘樹だけ、あまりに殺陣がうますぎて昔風時代劇になっていたので笑ってしまった。

むかし市川崑が監督したテレビ時代劇「木枯し紋次郎」は、ヤクザ剣法なので、「斬る」ではなく「刺す」で現実感を出した。流れ者ヤクザの差している名もない刀の脇差でひとを殺そうとしたら、それまでの時代劇のような華麗な殺陣ではなく、「刺す」のが最も理にかなっている。そのシリアスさで話題になったものだ。

この映画でも、高岡蒼甫(ちょうどフジテレビ批判で話題になっていた)を始めとする若者は、ひたすら転げ回り、喚きながら剣を振り回し、うまく殺人に慣れていない若者の必死さを出している。
その中で、それまでとぼけた役だった松方だけ、殺陣がうますぎるので、いきなり東映だか松竹だかの「むかしの時代劇」になっていた。このひとは殺陣がうまい。父親の近衛十四郎は文句なしの日本一だった。
しかしこの映画ではそのうまさはマイナスだった。殺陣が華麗過ぎて、この映画の生々しさとはちぐはぐになっていた。

あとは、平幹二朗はうまかった。松本幸四郎はさすが。このへんの重鎮が映画に重みを出している。在野の剣豪の伊原剛志はおいしい役。岸部一徳はいつものいい味。とにかく、もしも市村正親の役がミスキャストだったらすべてぶち壊しだった。彼がはまっていたので見られた。

---------------

expendables
昨日は「エクスペンダブルズ」を見た。スタローンの最新作だ。血腥い映画を見たのはひさしぶりになる。いや「十三人の刺客」も血みどろだが、白人の血腥さと日本人のそれはちがう。

あいかわらずスタローンは「敵」を求めてさすらっているようだ。それがないとやっていられないのだろう。でもそれはアメリカ人の根本だからしょうがない。

「ランボー」の1はともかく、2や3を愉しんでいた自分を今はバカだと思う。恥ずかしい。なんであんなアメリカ正義のくだらんものを喜んで見たのか。それでもあのときはロシアのヘリコプターにミサイルをぶちこむランボーにわくわくした。それはそれで自分の事実だから認めねばならない。

仲間がみんな死なないのは既に2を意識していたからなのだろう。実際2が制作されるらしい。

---------------

さて、今日はなにを見よう。洋画の「イルマーレ」「インセプション」「イングロリアス・バスターズ」、邦画の「告白」「悪人」「ハナミズキ」あたりが候補。

Comments

Post a comment

Private comment

プロフィール

moneslife3

Author:moneslife3
FC2ブログへようこそ!